
Swiss Army Man
★★★★
2016年/97分 #ダニエルシャイナート #ダニエルクワン
無人島で孤独なハンクは自殺を決意するがメニーと名乗る死体が突然目の前に現れ思い止まる。彼と向き合う事がハンクを再生に導く。
結界の話。ハンクは待受で憧れの君をメニーに見せ生き抜けば会えると励ますが、これは自身の存在意義を保つ行為。メニーはハンクの此岸と彼岸の結界的な存在で、彼は抑圧された世の中でハンクが吐き出せない言動を自由に表現する。メニーの消滅は即ちハンクの死を表す。
再生の話。メニーは現世から逃亡したハンクの脱け殻。彼の機能は噴射、給水、磁石、刃物、着火と多彩で自らに要求する事が機能を追加の術。また彼の我儘はハンクの潜在意識の反映で要求が多ければハンクの気力が高まっている事を意味し、その願いを叶えた分だけ彼は再生する。彼は思い出のバスを再現し彼女に扮して己を振り返る。ここは自分だけの楽園で、楽園を作る事が自己の再認識となり再生の始まりとなる。しかし楽園は現実が介入する事で不気味な空間へと変貌してしまう。
自立の話。ハンクはバスで毎日顔を合わせ告白出来ずにいた憧れの君サラの家に辿り着くが、皆戸惑いを隠せない。警察やTV局等の社会介入が始まり、ハンクは安置所へ移送されるメニーを抱え住人達の蔑視線を横目に堂々と放屁し己を解き放つ。彼は父から役立たず扱いをされ劣等感に苛まされてきたが、この時の父は優しい眼差しで彼を見守っていた。
4スジ4ヌケ3ドウサ4テイジ3コノミ