シンゴジラ

Shin Godzilla

★★★★
2016年/119分 #庵野秀明 #樋口真嗣 #SF

その存在は脅威で福音。第三形態は皮膚絨毛運動が生物としての興味をそそり、第四形態はゴリラ鯨の起源説と共に溶岩内臓が放射能の怪物を遂に実在させた。ターボ焔から通常炎、八塩折作戦でのメーサー光線は神々しさを含意する。尻尾のズームは秀逸なる終焉。

批判の話。「この国」を幾度も使用し自国を徹底的に客観視する。総理代理の「総理ってやっぱ大変だなぁ」や米国官僚の「危機は日本をも成長させる」が作者の本意。地方の後回しや組織に迎合しない事後処理班の活躍は現代社会を反映させる。

政府の話。内閣失態を揶揄する。有事に総理はそうなのかを連発、閣僚は責任回避に躍起となり官僚指示では管轄を逆質問、有識者は御用隠しと無意味な状況説明が延々と続く。総理の上陸不能談話直後の撤回や射撃確認繰返し直後の断念など無理や無駄を次々と露呈させる。一縷の望みは全てが総理代理のシナリオで首都政府の崩壊は意図した物という点だ。

日米の話。戦後は続くよどこまでも。大統領特使は英語に誇張した抑揚をつけ、自分に汚点を残さない事だけを要望する。また政府は呉璽羅を米国由来と喜んで命名。事態深刻化に連れ日本は米国の属国である事実が炙り出される。

演出の話。発言時の顔ズームは切迫感、高速の視点と喋りは緊迫感、膨大な言葉の情報は危機感を倍増させる。TVを介した報道や無人探査機の撮影画像、380万人避難場面は臨場感を高めていく。

5スジ4ヌケ4ドウサ4テイジ5コノミ

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