
White Heat
★★
1973年/101分 #ジョセフサージェント #アクション
密造で服役中の男が殺害された弟の復讐の為、FBIに協力し密造組織と黒幕の保安官を成敗する。人間形成に於て出自と環境が重要な事も提示している。
安全の話。舞台となる南部は悪徳保安官に権力が集中、保安官と懇意にする事が民衆の生きる術となっている。彼らにしてみれば習慣や伝統に型嵌めする事が安心で安全。時流に乗れずドロップアウトした者は社会の隅で忸怩たる想いを持ち慎ましく生きる。ヒッピーや未婚の母もやがては抹殺儀式の生贄となる定め。冒頭の湖水場面は不穏ながらも静謐な緊張感を持っている。
雄の話。ゲイターは汗と泥にまみれ自らの人生と格闘している。汗は温度や湿度を現し、不快指数の高さが抑圧による息苦しさを暗示する。また彼は裸身が基本。裸体は野生を連想させ胸や腕から見える剛毛は動物の雄の力を想起させる。運転では一度死んだ車も蘇えらせる神通力を見せる。彼は人を虐げた暴君たちを血の川において懲らしめる獄卒、人と馬の半身半獣ケンタウロスだ。
雌の話。女達は総じて緩い。そこには男の希望を具現化した差別的な香りも漂う。ゲイターにデレデレしながら後を追う地元の二人組みや初体験9歳を吹聴するロイの彼女は緩慢さ満開の女達。性を安売りし、保護される安堵感から存在自体が弛緩しきっている。彼女達は女を武器にして多頭の無気味な子供達を生産し続ける恐ろしい人と蛇の半身半獣エキドナだ。
2スジ1ヌケ2ドウサ1テイジ2コノミ