翔んで埼玉

Fly Me To The Saitama


2019年/106分 武内英樹

熊谷在住の菅原家は結納に出発、娘は東京在住が憧れ。車中では地元ラジオ局NACK5から埼玉の都市伝説ドラマが放送。ここから現実と伝説がパート分けされ物語は二軸で進む。埼玉ポーズは一つの革命。

伝説の話。都会指数や埼玉県民探知機、通行手形等、道具や設定は興味深い。キャラや衣裳は印象通りで全員が大真面目で取り組む姿勢には好感が持てる。物語は、生徒会長の壇ノ浦百美が全権を掌握する白鳳堂学院に転校生の麻実麗が埼玉復興を掲げ登場、二人はBLに墜ちるが、解放戦線部隊と力を合わせ都知事の陰謀を暴き通行手形を撤廃するという凡庸なもの。

笑撃の話。埼玉自虐ネタが冴える。暴言「そこら辺の草でも食わせておけ」、商品券餌に集結する戦線部隊、サイタマラリヤ感染、繰り返すツッコミ「与野はスッこんでろ」、白子鳩付草加煎餅踏みとギャグ満載。瓶の空気を嗅ぎ格付けする東京テイスティングはTVのパロディとしても秀逸。千葉ネタも負けない。全穴のピーナッツ詰め地獄、地引網漁の強制労働等々。傑作は県内に東京名が数多く認められたと喜ぶ件。群馬は未開の地、栃木や茨城は特になしと関東もフォローする。決戦での地元芸人の幟交歓は見所。

現象の話。興業収入38億の快挙、純愛と地元愛が流行を牽引、ディスる裏側に内輪と愛情が前提条件として存在する。象徴的な逸話として埼玉県知事が観賞後に「悪名は無名に勝る」と語り作品を推奨した事が挙げられる。

1スジ1ヌケ2ドウサ1テイジ2コノミ

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