
West Side Story
★★★★★
1961年/152分 #ロバートワイズ #ジェロームロビンス
ポーランド系移民のジェット団元リーダーとプエルトリコ系移民のシャーク団リーダーの妹による禁断の恋。作者のアーサーローレンスは物語に殺人や性同一性障害、レイプ未遂など偏見と憎しみを盛り込んだ。主題は青春の暴走と差別の功罪。警官は更正した先輩、店主はユダヤ人の設定は注目。
歌曲の話。音楽による感情表現の究極型。「アメリカ」は当初女性曲だったが、男性混合の反論曲に転生する事で深みが生まれた。又チャキリスの踊りは気品高く繊細で力強い。「トゥナイト」は名場面。デュエットでは寂れた裏通りを愛の溢れたバルコニーに変え、クインテットでは大合唱で登場人物全員が決闘に向かう物語を作った。「マリア」は見所。外界を遮断した彼だけの空間と全てが色づく恋の高まりを映像化した。「クール」は会話のダンス表現、ロビンスの拘り故に未完成で世に出た。「素敵な気持ち」は初々しい息吹、「ひとつの心」は清純な神聖さに溢れている。
流儀の話。ワイズは街と人物を融合、鳥瞰でNY東110丁目を捉え動的イメージで多角度撮影し音楽と体の動きを調和した。ロビンスは現代的ソーシャルダンス、クラシカルバレエ、ジャズダンスの集団パフォーマンスで独創性を表現、完璧主義な彼にOKの2文字はなく音符に合わせず役に合わせた複雑なステップを完成させた。バーンステインはポピュラーとクラシックを融合、バスは序曲からのフィンガースナップ、終幕でブロック殴り書きのメッセージ等、新世界を構築した。
終焉の話。アニタの嘘「チノが彼女を撃った」は当然の反応、マリア最後の独白はアリアで書いた歌詞の転用。原作からの変更も納得、マリアは強い女性で自殺する事など出来ない人間。
色彩の話。七色に変化する序曲、深紅の体育館、ステンドグラスの窓、蒼白く光る暗闇、衣装と背景のコントラスト等、原色を多用し、欲望や葛藤を表現した。
5スジ5ヌケ5ドウサ5テイジ5コノミ