
Chernobyl
★★★★★
2019年/330分 #ヨハンレイク
主演はレガソフ#ジャレッドハリス、ボリス#ステランスカルスガルド、ウラナ#エミリーワトソン。
主題はレガソフ発言「この事故の最大の原因は政府による嘘だ」。ホミュックは科学者の良心の象徴として創作される。
見所は裁判での真相暴露の瞬間。原本はオリジナル。撮影はリトアニアの廃炉イグナリナ原発跡地で実施された。
被害の話。事故は国際原子力評価尺度で深刻事故のレベル7。死者は政府発表で33名、長期的観点では数十万人も被曝による癌や白血病との因果関係は証明不能。ウクライナ国立科学アカデミーは事故前後のウルジニー地区の平均寿命は65歳迄低下と発表、ウクライナの人口は91年5200万、10年には4500万人に減少。
対応の話。政府は応急措置として3点実施①ホウ素5千トン鉛2千トン投下②圧力抑制プールから汚染水排出③液体窒素の注入。4号炉はコンクリートの石棺で覆われる。その制作期間は半年でリクビダートルと呼称される作業従事者は約60万人、巨大覆いは人類の負の遺産。
罰則の話。現場責任者ブリュハーノフ所長、フォーミン技師長、ディアトロフ副技師長は86年役職剥奪、刑事裁判で禁固10年、所長は権力濫用の罪で刑期5年を追加。技士長は裁判前に自殺未遂で発狂し釈放、他2人はソ連崩壊で5年釈放も副技士長は晩年まで放射線障害に苦しみ95年心不全で他界。
時刻の話。86年4月26日1時23分チェルノブイリ原発爆破。88年4月原発担当科学者レガソフが告発テープを路地裏に隠し首吊自殺。あり得ぬ事態に所員は狼狽しプリピャチでは火災見物で人々が橋に集合する。誰一人事の重大性に気付かない。
人災の話。ディアトロフはブリュハノフとフォーミンに事実確認もせず非常用タンクの爆発と報告。クルチャトフ原子力研究所副所長レガソフは閣僚会議副議長でエネルギー部門責任者のボリスから事故の政府委員会出席を要請される。
現場の話。白ロシア原子力研究所ウラナ博士は事の重大さを敏感に捉え現場へ向かう。病院には放射性火傷の消防士や見物被曝の住民が次々と運ばれる。レガソフは未だ事故を楽観視する閣僚を尻目に放射性物質の漏洩危機を熱弁、ゴルバチョフはボリスとレガソフに現地調査を指示する。
検証の話。現場は原子炉の黒煙が吹き上がり建屋上部に黒鉛片が散乱、高精度測定器の線量は1万5千レントゲン。レガソフはボリスに炉心溶解物の封じ込めでホウ素5000tを要求、ヘリ投下を成功させる。ウラナが現地入りし二人に水蒸気爆発の危険性を説明、回避の為に炉心下の地下タンクからの排水がを提言も其は作業員の被曝を意味する。
追及の話。地下排水は成功し火災は鎮火もメルトダウンは始まっている。 溶解物を液体窒素で冷却する為、炭鉱夫の動員で原子炉下への熱交換器設置が決定。ウラナは事故原因の追及に余念がなく自ら事故当時の技師と対話。彼女は其処で緊急停止のAZ5ボタンを押した時に爆発した証言を耳にする。
KGBの話。イグナテンコ消防士の妻リュドミラが夫探しで病院を訪ねるが夫は被爆末期、彼女は直接触れて妊娠を報告、ウラナは慌てて彼女を部屋から引き放し妊婦を被曝の危険に晒したと騒ぎKGBに逮捕される。レガソフはKGBチェルコーフ副議長に直談判、彼女の釈放を要求し許可。二人は科学者の威信を掛け真相解明に乗り出す。
掃討の話。ウラナは再度病院でディアトロフに聴取、事故原因がAZ5ボタンを押した事を確信する。レガソフは月面車で建屋の黒鉛を原子炉へ落下する作業に入るが高汚染度地域は月面車も西独提供の無人作業車ジョーカーも数秒後に機能を停止する有り様。
作戦の話。レガソフは作業員投入を決定、1人90秒で総勢3828名の兵士動員。ウラナはレガソフとボリスに爆発原因の根拠となる論文を報告しレガソフにIAEA本部での告発を迫る。真相の暴露はソ連製原子炉の欠陥指摘で国家の敵、KGBの保護対象となる過酷な選択。
取引の話。レガソフはチェルコーフに原子炉欠陥修理を取り付けIAEA本部で原因は技師のミスと虚偽を報告する。見返りにクルチャトフ原子力研究所所長の座を確約されるが放射線障害の初期症状が現れ始める。ウラナは裁判で傍聴の科学者達に原子炉修理の先導をする様、彼に促す。
証言の話。裁判は87年開廷、ボリスは被告の思惑と実験の実状を説明、4号炉完成直後に成すべき試験を未実施で炉を稼働、所長達が功を焦り実験を無理に実施した点を糾弾。ウラナが原因を人的と科学的な問題に分析、ディアトロフは電力局からの実験延期要請も昇進の為に無視、経験の浅い技師を担当させクビを盾に逆らえぬ状況で強行したと指摘する。
真実の話。レガソフは科学的問題を説明、バランスの崩れた原子炉に制御棒が挿入され急激な反応で極限状態を迎え緊急停止ボタンAZ5が起爆装置となった事を説明し原子炉欠陥の政府隠蔽を暴露する。 閉廷後レガソフはKGBに連行、チェルコーフに社会的抹殺を宣告される。
5スジ4ヌケ4ドウサ5テイジ5コノミ