
The Dark Knight Rises
★★★
原題#TheDarkKnightRises
製作2012年/165分 #クリストファーノーラン
主演はブルース#クリスチャンベール、アルフレッド#マイケルケイン、ジム#ゲイリーオールドマン、セリーナ#アンハサウェイ、ベイン#トムハーディ、ミランダ#マリオンコティヤール、ジョン#ジョセフゴードンレヴィット、ルーシャス#モーガンフリーマン、ラーズ#リーアム・ニーソン、ジョナサン#キリアンマーフィー。他に#アーロンエッカート、#マギージレンホール が映像や写真でカメオ出演。
主題はベインがブルースに放つ一言「お前は死を恐れていない」。ブルースはゴッサムの為には自分の命を落としても構わないと思っている所か死を望んでいる節もある。その気持ちを変えるのが長年ウェイン家に尽くしてきたアルフレッドとなる。
見所はアルフレッドがイタリアのカフェで椅子に座る。向かいの席には幸せそうなカップル。両者の間には会話はない。あるのは一瞬合わせる視線と穏やかな微笑み。彼の理想を叶え自分の理想を実現した主従ながらも友人の幸福な時間。
原作はオリジナル。原作は#ボブケイン「バットマン」。#ダークナイトトリロジー 第3作目で最終章。1859年#チャールズディケンズ「二都物語」から着想、またバットマンコミックを中心にナイトフォール、ダークナイトリターンズ、ノーマンズランド等から着想する。
装備の話。EMPブラスターはライフル型で電子機器を強制停止させる武器。バットラングは小型化、ザバットは都市型戦闘機でEMPキャノンとロケットランチャーとマシンガン完備。ウェイン産業の隠し倉庫に保管。上部キャノン砲タイプと後部ミサイルポッドタイプに分かれる。
抗議の話。本作は「ウォール街を占拠せよ」運動をフランス革命の恐怖時代と結びつけ格差社会への怒りを表現、それは11年リーマンショック後の不景気を受け若者中心にウォール街で半年以上続いた経済界、政界に対する抗議活動。直前で市長のマイケルブルームバーグは悪化する雇用状況を放置すれば暴動が起き兼ねないと警告した。
影響の話。12年公開初日にコロラド州オーロラの映画館で銃乱射事件が起き12人が死亡し58人が負傷する。犯人は合法的に武器を手に入れてジョーカーを名乗り犯行を繰り返した。この影響で各国での関連イベントは全て中止となる。また暴動場面は囚人と警官隊による数千人の戦闘、全て本物の役者で撮影を行った。
反映の話。二都物語と本作の影響を整理すれば興味は高まり理解は深まる。バスティーユ牢獄襲撃はブラックゲート刑務所襲撃、人権宣言は刑務所前ベイン演説、人民裁判は市民裁判、ギロチン処刑は氷上追放、ジロンド派は影の同盟、立憲君主派は警察管理職と歴史は繰り返しされる。
愚直の話。ベインは富の分配から行動を起こす様に見えるが本来の目的は愛。全てはタリアの為の行いで、それは少年期より続く一途な愛が支える。愚直な男の不器用な愛情表現は悲しみすら匂わせる。ブルースも真摯さ故の不器用な生き方を選択する男。二人の不器用な男達の儚くも夢ある物語。
妖艶の話。アンハサウェイのキャットウーマンは本作の目玉、バットポッドに跨がり颯爽と走り回る驚愕のスタイルに昔の彼女の面影はない。キャットウーマンは作者が往年の女優#ヘディラマー をモデルにして創造した。その事を知り彼女は呼吸法を真似る。長く深く息を吸い、緩やかに時間をかけた吐息は猫らしい妖艶さを倍増させる。
修正の話。キャットウーマンは銃でベインを殺し呟く「私は銃無しでは無理みたい」。銃は凶器となる反面で人命を守るにもなる。ベイン銃殺は米国の銃社会を皮肉ると共に、ブルースの物語に終止符を打つ。彼は銃で両親を失う事で自らの道を失うが、銃により愛する女性に助けられ自らで道を修正する。
解放の話。クリスチャンは取材でブルースの原点に大きな苦悩があったという事実、彼がそれに向き合う必要がある事を思い出させる内容と本作を振り返っている。問題は何時までその苦悩に自分の人生を支配されたままでいるのか。彼はその問いに答えを出し自らを苦悩から解放して次のステージに進まなければならない。
執着の話。ブルースは奈落で死の恐怖を感じないと脱出は不可能と医者に進言され3回目は命綱なしで挑戦し見事成功を果たす。彼の行動規範は恐怖以上に故郷ゴッサムへの想い。愛する街を守り人々を救出する事が自分の身元表示。彼は此処で初めて生への執着を見せる。
捏造の話。バットマンは海上で核と共に散るが此は生の代償としての捏造。ブルースはアルフレッドの希望を叶え人として愛に生きる道を選択する。アルフレッドは母の形見となるネックレスに潜むGPS情報を追ってカフェに参上しブルースの姿を目にして微笑む。街の荒廃は後継者となるロビンとゴードンに全ての想いを込めて託す。
3スジ4ヌケ3ドウサ3テイジ4コノミ