若草物語

Little Women

★★★
原題#LittleWomen
製作1949年/121分 #マーヴィンルロイ

主演はジョー#ジューンアリソン、メグ#ジャネットリー、エイミー#エリザベステイラー、ベス#マーガレットオブライエン、婦人#メアリーアスター、叔母#ルシルワトソン、ローリー#ピーターローフォード、マーチ#レオンエイムズ

主題は母の想い「貧乏人の妻や上品な老嬢の方が自尊心を失くした女王よりいいわ」。ジョーとローリーを目にした貴婦人連中は金持ちに貧乏姉妹を取り入らせる母親の策略と噂話、ベスは涙しジョーが母に問いかける。その時の言葉。彼女は結婚なんて絶対しないと誓う。

見所は孫娘のピアノ話。ベスは感謝の印でローレンスさんにスリッパを贈呈、彼はお返しに孫娘のシルク張ピアノ、添える手紙は「貴方が小生の友であり続けん事を」。弾く様に薦められるベス、しかし彼女は彼に会いに行きキスして抱擁する。ジョーが驚いた時、連発の「クリストファーコロンブス」が面白い、ジーザスクライスト同様の感嘆文。

原作は#ルイーザメイオルコット の同名小説。1933年に続く2回目の映画化で初のカラー。本作ではマーガレットの年齢問題でベスが四女の設定となる。若草物語は1868年刊行、1871年に第二部、1886年に第三部が発表。二部はジョーとの結婚後、三部は夫と開講した学校の話。基本的に一部と二部の内容が映画化される。

遮断の話。マーチ家とプラムフィールドは外界との遮断が強調される。父が赴く戦地や姉妹が援助する貧困家庭、エイミー退学の学校等、町から距離を置いた場所に彼女達は存在し姉妹は父親が不在の時は母親と聖書を通して忍耐や自己鍛練を学び成長していく。また姉妹とローリーは内的な弱さを認識し受容しながら自己管理を学んでいく。

道徳の話。一家はシステムに基づいた管理をする事で善良な人間、快適な空間の維持に努めている。姉妹は教室の学習ではなく大自然の中で生態系に根差した自然活動を重視し生活する。舞台は一見、安全なユートピア的領域だが姉妹の内面はキリスト教に基づく道徳律で統制されている。

冒頭の話。冒頭の姉妹紹介は彼女達の性格を端的に表現する。ジョーは柵越えからの登場も見事失敗してやり直し得意満面、演劇練習ではジョーとエイミーが言い争いの中、エイミーが伴奏で盛り上げ、メグは優しく笑う。今後の物語を暗喩する秀逸なる開幕、ヒューとロドリゴのやり取りは耳に残る。人生は胸弾む。

美徳の話。叔母様からのクリスマスプレゼントの$1で姉妹は各々欲しいものを購入、店主も目を細め皆に飴を進呈する。しかし姉妹は入手早々にこれらの物を手離す。ベスの提案で母が必要とする物に交換、そして母の留守中、ツリーに吊るす。母が戻って気付き一人一人の寝顔を見守る。母と姉妹が一塊で集う若草会議の場面も含め全てが美しい思い出として刻まれる。人生は美しい。

団子の話。姉妹はローレンス邸のパーティーに招待される。継ぎ接ぎのお尻を見せられないジョーをローリーがバルコニーへと誘う。エイミーとベスは植木の裏で隠れて周囲を伺いローリーは二人にお菓子持参で歓迎、二人はまだまだ花より団子。人生は楽しい。

叔母の話。姉妹は叔母と対立する。ジョーはお金の腐心に訪れるが叔母の嫌みに反論「私はプライドが高いの、もう頼まないわ」。ベスは貧乏教師を貶され反論「私のジョンはそんな人じゃないわ」。ジョーは髪をお金に変え、ベスは結婚を決める。人生は皮肉だ。

離別の話。ジョーはメグの結婚式で華やかな祝宴に耐えきれず、その場を離れる。ローリーは心配し後を追い遂に彼女への恋心を打ち明ける。ジョーは恋愛感情は抱けずに本音を漏らす「私は上流階級が嫌いだし貴方は作家に反対」。相応しい人を見つける薦めに彼は傷付き彼女の元を去る。人生は過酷だ。

落胆の話。ジョーは自分の力を試すべくNYに旅立つ。そこで音楽と執筆が共通の趣味の語学学者ベアと意気投合、オペラに出掛ける等、NYを満喫する。そして彼女の下に欧州旅行途中のエイミーと叔母様が訪問。ローリーは立ち寄らず念願の旅行も失い落胆する。人生は残酷だ。

執筆の話。ジョーは必要とする家族の下に戻る決心をする。ベスは猩紅熱以来、寝込んでいるが彼女に力強い言葉を懸ける「もう怖くないわ貴女がいるから、私達は家族よ」。彼女は遂に小説を執筆、題名は「私のベス」。人生は有意義だ。

家族の話。久しぶりの家族集合。ジョーに小包が届き中身は製本「私のベス」。彼女は雨の中、慌てて彼を追いかける。ベアはローリーと妹の結婚を聞き彼女が喜ぶのを見て安堵、思わず彼も告白しそうになるが言葉にならない。しかし彼女に想いは伝わっている。ベアを家族の仲間に加えるべく腕を組み皆の待つ我が家へと戻っていく。人生は暖かい。

3スジ4ヌケ4ドウサ3テイジ3コノミ

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