
Bad Boys for Life
★★
2020年/124分 #アディルエルアルビ #ビラルファラー
主題は世代の移ろい。バッドボーイズは生活面では血縁、社会面では格差という時代の波に翻弄され思う様にノレない。1作目から25年、2作目から17年、監督はモロッコ人でポップカルチャーとマイノリティ讃歌が得意分野。見所はアルマンド発言「アスタエルフエゴ」意味は死んでもまた会うでこの言葉が全体を牽引する。原本はデヴィッドグッゲンハイム。08年ウィルスミスが続編をベイに懇願し製作が進行した。
変遷の話。マイアミ市警のマイクローリーとマーカスバーネット。マイクは今もブランドスーツでポルシェを乗りこなし、マーカスは家族こそが大切と考えている。冒頭は高級住宅街で警察から追跡を受け、迂回し横滑りに後退と何でもアリの展開、行先はマーカスの孫が待つ病院とはご愛嬌。バッドボーイズ健在と思いきや二人は進退を考える年齢となり岐路に立たされている。
解散の話。刑務所では謎の女イザベルアレタスが脱獄。マイクは酒に酔い競争遊びに興ずるが、突然バイクから発砲され銃弾に倒れる。神父が祈り皆が涙、一見マイクの葬式も実はマーカスの娘ビアンカの結婚式。相手のレジーは2バッドの初デートでマイクに説教を受けた彼、式の司会はマイケルベイのオマケ付き。彼は死の淵から立ち直り犯人逮捕に燃えるが、マーカスは引退を考えている。バッドボーイに初めてコンビ解散の危機が訪れる。
時代の話。ネット上で銃撃動画がアップされる。犯人からの挑発を黙認出来ないマイクは独自に調査を開始するが上司は独断先行を禁止、特殊エリート部隊AMMOへの参加を指示する。リーダーは彼の元恋人リタでメンバーは全員彼より一回り以上も若いスタッフ。筋肉質のPCオタクや先輩を平気で批判する皮肉屋等と顔ぶれも多彩。現代は個性が尊重され、捜査は頭脳を駆使したハイテク戦である事を示唆する。同時に時代を席巻した筋肉映画の終焉も暗喩する。
開口の話。マーカスはマイクの命乞いとして神に暴力行為を二度としない事を誓う。神への取引提示が自らに戒律を作る羽目となる。マイクは独断で敵地に突入、作戦を台無しにしてマーカスに助けを求める。マーカスは拒絶するがハワード警部が射殺され突破口が開く。二人は最後の大一番に乗り出した。
宣言の話。事件の発端はマイクが原因の愛憎劇。イザベルはマイクが新人時代に潜入捜査をして恋に落ちた麻薬組織の女。禁じられた愛の果てに彼は彼女を裏切った。彼女は棄てられた妻子の復讐戦として密愛時代の造語を息子に囁かせ彼に宣戦布告する。息子は中南米系の為、設定上の強引さは否めない。
事情の話。狙撃から復活し復讐戦とアクション満載の様相は王道を極める。息子は殺さず刑務所送りとして話を修めるのは娯楽作ならではの終幕。刑務所での父子は鉄格子越しで会話をする。父が呟く「出る機会はある」は次作への布石となる一語。
2スジ2ヌケ3ドウサ1テイジ2コノミ