ブレードランナー

Blade Runner

★★★★★
1982年/116分 #リドリースコット #SF

絶望世界の中、志半ばで亡者となった者への鎮魂歌であり、希望を持ち続けた者への応援歌。

レプリカントの話。人間が共感性を無くした中、レプリカントは感情を爆発させ人間よりも人間的。警部の発言「彼らの中に感情が芽生えている」は人間が失いつつある何かへの警告を包んでいる。また主要の6名は、絶望世界に希望を抱く同士であり、ロイやブリス、ゾーラはデッカードを簡単に殺害できる状況の中、戦いを求め、恍惚の表情を浮かべながら導かれる様に死んでいく。またリオンはゾーラ、ロイはブリスの敵を討つ事で人間へと昇華していく。居場所を持たぬ彼らだからこそ、死場所を求め彷徨う。

セバスチャンの話。引籠りの科学者も世間に壊された者の一人。老化病の天才はブリスの出現で夢を見るが、それは儚くも散る。それでも手引きをするのは彼の人間性が破綻している証拠。

神殺しの話。叶わぬ延命に目潰しの刑を下すロイ、ミルトンの失楽園で描かれた刑を引用した。人間になりたい希望を絶たれ、神を殺害する事で悪魔と化した瞬間、彼は人が持つ全ての負の感情を振り切った。

白鳩の話。雨の涙はロイの存在意義を雄弁に物語る。死に際で白鳩を夜明けの空に解き放つ事でこの世に彼の魂は永遠に残り続ける。

一角獣の話。エレベーター前の折紙はデッカードの夢が移植記憶である事と、ガフが自宅を訪問したのに彼女を殺さなかった事を示す。ガフは全てお見通しの堕天使役となっている。

5スジ4ヌケ5ドウサ4テイジ5コノミ

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