
Duck You Sucker
★★★★
1971年/157分 #セルジオレオーネ #西部劇
副題はワンスアポンアタイムインザレボリューション。冒頭の言葉が本作のテーマ「革命とは一つの階級が他の階級を覆す暴力行為だ」毛沢東。
表現の話。蟻の放尿はフアンの小児性、目や口の大写しによるモンタージュは資本家が下卑た生物である事を比喩する。時間や空間を大切に扱い、橋の爆破や列車の衝突等、派手なアクションの連続がレオーネ美学。ションションと流れるテーマは心覚や歩行の描写、音で人間の行動や内面を表現するのがモリコーネ哲学。
追憶の話。眼前にある処刑執行の現実とアイルランドの裏切りと報復の過去、仲間の内通が過去と現在を繋ぐ。アイルランド時代のフラッシュバックは内通場面では切なく、三人の楽しい場面では果てしなく美しい。彼女が親友にキスをする事が三角関係の清純さを示している。
意味の話。夢が破滅の原因。秩序が失われ始める激動の1913年、フアンが英雄となる契機は、最初が金目当ての偶発的政治犯解放。2度目が金とは無縁の家族惨殺の復讐。二つの出来事を通して農民は人生、IRA闘士は革命の意味を考える。字が読める者が革命を煽り読めない者が殺される。
主題の話。二人のジョンが一人になる。夢を語り合った親友を失い「俺はどうすりゃいいんだ」とフアンは途方に暮れる。本作は革命賛美ではない。最後のクレジットが我々に大切な物は何か、黙って「伏せてろ」と訴えかける。
4スジ5ヌケ5ドウサ4テイジ4コノミ