
Easy Rider
★★★★
1969年/94分 #デニスホッパー
アープとキッドの西部劇で馬をバイクに置換えたアウトロー達の哀歌。バイクは65年型1200ccハーレーのフルメッキフレーム、サスブレーキ無しのフルカスタムで後にハーレー社が製品化した。主題は「僕らは自由じゃない」。 時代の話。68年米国はベトナム反戦運動や黒豹党過激活動で社会が荒廃しクスリ漬けの時代。楽曲は物語の一部を構成、流行感ではなく時代感を考慮した。ポップアートとの関わりも深く国旗、鹿革ズボン、アメフトメットなど時代のシンボルを揃えた。
狂気の話。当時の南部は掘建小屋の放置など時代遅れで排他的。食堂の拒絶反応は凄まじく、疫病神、ゴリラの子、石器時代と馬鹿にされ寝込みを襲われリンチを受ける。ジョージは言う「アメリカはいい国だった、一体どうしたんだ」。 影響の話。フォードの故郷モニュメントバレー中心に撮影した。馬や蹄をバイクやタイヤに置換した象徴的意義やカットイン&アウトはブニュエル、自然と人間の融和はレイの影響。
交流の話。留置場で朋友ジョージと出会う。彼の「ニックニック」はエンジン係の口癖を採用した。野宿では自身の過去やインベーダー、内政泥沼化等の本音を語り合う。
墓の話。16mm撮影の謝肉祭場面から内容は一変。そのコンセプトは「両親を愛し憎む者でなければ使徒の資格はなく、我々を照らすイエスは全てであり全ては彼から生まれ彼に到達する」。ワイアットの母は彼を置いて自殺した。
自由の話。ならず者が裕福になるアメリカンドリームも実際は自由を見失い自国を破壊する。大事なのは金ではなく自由の維持だった。終幕はバイクが進みつつも引戻される様に映り呆気なく散る。ディランの詩に曲をつけたオリジナルスコアが哀しい。
4スジ3ヌケ4ドウサ5テイジ4コノミ