
Frances Ha
★★★
原題#FrancesHa
製作2012年/86分 #ノアバームバック
主演はフランシス#グレタガーウィグ、ソフィー#ミッキーサムナー、パッチ#パトリックヒューシンガー、レヴ#アダムドライバー、ベンジー#マイケルゼゲン。
主題はフランシスが語る言葉「27歳は歳でもないけど若くもない」。彼女は自分の夢や人生に自らで節目を設けて新たな旅立ちの朝を迎える。
見所は題名。フランシスはポストネームでフランシスハラディとフルネームで記載、でも長すぎて入らない。前半部を切り取り何とか入れるが寸足らず、足りない位が丁度良い。
原作はオリジナル。名前は「#女優フランシス」から拝命、彼女の苦痛からの復活と生活の自由度を表現する。主題歌は83年リリース#デヴィッドボウイ 「#モダンラヴ」
流行の話。本作は#マンブルコア映画。それはインディペンデント映画のジャンルで自然主義と評され低予算でアマチュア監督や友人が低賃金で出演し市販カメラで撮影、男女の日常を特徴とするゼロ年代を代表するムーブメント。制作者は#アンドリューブジャルスキ、#ジョースワンバーグ 等。
不安の話。フランシスは27歳で当時のグレタ同様、大学卒業後も30代前は責任も少なく不安定な状態。気の合う仲間と永遠に過ごしたいが遊んでもいられず人生設計を確りと構築しなければならない時期。台詞では若者言葉の非モテが多用されマンブルコア映画的な要素が強く反映される。
構図の話。本作はフランシスとソフィー、フランシスとレイチェルとの待ち合わせを同構図でありながら立位置を変えて撮影、作中での同構図による既視感により作品に意図を与える。同じ構図は次の展開を予感させ、構図の違いは二人の関係性の強弱を表し、演出的意味を持たせる。
不幸の話。フランシスはNY市街地をソフィーと闊歩する。彼女達は少女の様に純粋で自由な存在、人目も憚らず街中を疾走、爆笑、会話を楽しむ。そんな彼女に突然の悲劇が訪れる。親友のルームメートが部屋を去り劇団からは戦力外通告。彼女は迫り来る不幸の連鎖を断ち切れず紆余曲折を経て振付師の道を選択する。
反映の話。彼女が動けばその時の気分に合わせた音楽が流れ出す。軽快な音楽に乗っての全力疾走や自由な踊りが銀幕全体に繰り広げられる姿は動的イメージが極限まで達し極めて開放的な気持ちにさせられる。彼女は友人から部屋で喫煙を勧められ「80年代不良ママの気分」と呟く。そこに彼女の人生への向き合い方が反映される。
極端の話。監督はグレタ以外の女優を最初から考えていなかったと語る。彼女は脚本執筆の段階から脚本家の立場から客観的な視点を以て物語を構築する。彼女が主演となる事で映画のリミッターは解除される。地下鉄での放尿場面や不器用な仲間内でのダンス披露は解放感と閉塞感を極端な形で表現する。同監督「#マリッジストーリー」からは二人の関係が垣間見える。
共感の話。本作は諦観する映画であり妥協が連続する内容はメジャーでは扱い難いテーマでインディーズ向け。商業主義の大手映画会社からは避けられ全米公開は4館から開始し口コミで233館まで拡大する。誰もが避けられない身近な素材を喜劇性で調理、爽快な後味が人々の共感を呼んだ。
秘訣の話。ノアは現場が運良く計画通りに進んでも現実は妥協の方が多いと語る。彼は撮影当時40代前半も27歳同様に悩みを抱え生きていた。映画で経験する旅は置かれた状況に関係なく誰の人生にも起こり得る事、皆が決断と同じ分の魔法が起きる。人生成功の秘訣は悲観せず好機を待つ事。
賞賛の話。フランシスは自分の道を見つける。自分らしい奔放で捉え所の無い踊りを指導する彼女は振付師として新たな一歩を踏み出す。無邪気な子供が踊る様な振り付けは恩師や周囲の人達から賞賛される。子供の頃からの憧れダンサーとなる夢叶わず、でも人生は棄てたもんじゃない。
4スジ3ヌケ4ドウサ3テイジ3コノミ