
LEON
★★★★
1994年/110分 #リュックベッソン
レオンは監督の分身。無邪気に牛乳を飲みGケリーの「いつも上天気」を観て悦に入る。彼は純粋無垢も感情を失くす調教を受けている。そんな彼の下へ女神が降臨、女神は全てを失っているが豊かな感情を持っていた。買物帰りは見所。自宅を過ぎ呼鈴を鳴らす迄の緊迫感、照射される救済の光が神々しい。
告白の話。フロントに「愛人なの」と悪戯な眼をする彼女と「愛してる」の置手紙で復讐に向かう彼女は同一人物。レオンは飛び交う銃撃の中で彼女に生きる望みをくれた感謝と愛を初告白する。彼は捜査官に「マチルダからの贈り物だ」と手榴弾のピンを渡し自爆死、命に替えても彼女を護る敢然な愛を見せる。
礼賛の話。マチルダの弟子入り志願をレオンは拒否、彼女はボニーとクライドに喩え説得する。また彼女は「貴方に恋をしたい」と意思表示するが彼はドレスを袋のまま渡すキッドさながらの不器用さを見せる。扮装当てではマドンナ、モンロー、Jウェイン等が総出演、ハリウッド万歳。
現実の話。レオンは地に根がつかぬ鉢植え。マチルダは毎朝手入れし鉢の中で愛を育む。彼女は寄宿舎で形見の鉢を校庭に植替え「もう安心よ」と彼に語りかける。スタンフィールドがトニーに殺人を依頼しレオンが実行する衝撃、彼はレオン一人に特殊部隊を総動員し殲滅を図るという皮肉。トニーは顔に傷と痣を作りマチルダと再会、殺し屋志願は断わるが遺産受取人として指名する。殺し屋側が誠実で国家側が不実の現実。
4スジ4ヌケ5ドウサ1テイジ4コノミ