荒野の決闘

My Darling Clementine

★★★★★
1946年/97分 #ジョンフォード #西部劇

町を造り人を動かす。奥行きのある構図で西部劇らしからぬ静謐さを表現、人生を考えさせるのが巨匠フォードイズム。

ドラマ性の話。クレメンタインの決意が人と町に波紋を広げる。ドクもチワワもアープもクレメンタインも本心を隠しつつ自分の意思を押し通す。最終的には全員が大切に想う人の命を失ってしまう。アープ登場の場面や子供の為に町を創る思想にヒューマニズムが滲む。七人の侍原案。

魅力の話。アープは実直そのもの。籠城者を退治し、イカサマにはお仕置きも、直接好きとは言えない純情派。ドクは自由そのもの。結核でも酒を飲み、賭博の元締めを務めるが、皆の幸せを思いシェークスピアを語る伊達者。勤勉と正義が二人の共通点、心の強さの違いが明暗が生む。

平和の話。アープは可愛い。床屋で花の香水を降られ俺だと二度答え、一目惚れの彼女と腕を組み緊張気味に歩く。教会で彼女と楽しそうに踊るアープを見て驚く弟達や賑わう教会には、笑顔と歌声が溢れている。

OKコラルの話。空が白ばんだ時が決闘の合図。砂塵幕の中、飛び交う銃声。決戦は呆気なく終わり、一人生き残った悪党は最期まで汚い手で抵抗する。これがリアルな臨場感、これが勧善懲悪だ。

エンディングの話。戻る約束をして頬にキス、馬に跨がり名前だけを誉める。何も無かった様に、すぐさま弟を追う。いつまでも見送る彼女。残り香を漂わせ物語は終わる。

5スジ5ヌケ4ドウサ4テイジ5コノミ

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