男はつらいよ ドラマ篇 

男はつらいよ ドラマ篇 

★★
1968年/90分 #山田洋次

夜明け前。舞台は柴又。主演は寅次郎#渥美清 さくら#倍賞千恵子 竜造#森川信 つね#三崎千恵子 博#前田吟 たこ社長#太宰久雄 源公#佐藤蛾次郎 御前様#笠智衆 マドンナ#佐藤オリエ

主題は「つらいもんだよ男は」。題名の元となるこの台詞は星野哲郎「意地のすじがね」の歌詞から小林俊一が着想した。

見所はさくらの胸中。寅次郎はお酌騒動後に猛省し帰らぬ旅に出る事を決意するが、さくらは肉親の兄に対する自分の感情を振り返って深く後悔する。映画とは異なるさくら像であり、本内容は第2作に踏襲されている。

騒動の話。宴会お酌騒動を一席。寅次郎のテキヤ仲間が静かな家に乱入、竜造迄も仲間に入れて宴会開いて馬鹿騒ぎ。寅次郎は美人で聡明な妹さくらを自慢したいが故に彼女にお酌を強要し拒絶され怒りを買う。

翻弄の話。車竜造つね夫婦と姪のさくらの平凡な日常を行方不明だった兄が18年ぶりに帰って来て掻き乱す。さくらは帰りの電車で柄が悪く、嫌悪感さえ感じる男が唯一の肉親と知り、受け入れがたい現実に戸惑いを隠せない。我々に平凡が一番かを問いかける。

理解の話。寅次郎は恩師の散歩先生の娘、幼馴染みの冬子に出会い一目惚れ、とら屋に居座り、さくらの為に恋人道夫との縁を取り持つが破談、更には警察のお世話やTVで車家の恥を晒す等、踏んだり蹴ったり。皆、最初は眉をひそめるが、次第に彼の無邪気さと憎めない人柄に惹かれ始める。人生万事塞翁が馬。

時代の話。時は過ぎ行く。さくらは医師の諏訪博士と結婚、竜造はとら屋の閉店を決意、散歩先生は他界し、冬子は恋人藤村と結婚する。寅次郎は変化についていけず居場所を無くす。主役の奪回を夢見て弟の雄二郎と奄美大島までハブ捕獲の旅に出る。

衝撃の話。突然、弟の雄二郎が諏訪家を訪問し寅次郎が奄美大島でハブに噛まれて絶命した事実を告白する。その夜、さくらの元にに寅次郎が現れる。さくらは歓んで追い掛けるが寅次郎は「喧嘩辰」を鼻歌に闇に消える。さくらは博士の腕の中で泣き崩れる。

企画の話。渥美清主演、大型人情喜劇案で仮題が「愚兄賢妹」、山田洋次は捲し立てる喋り中心の45分一幕物、渥美清ありきの企画として脚本を執筆、昭和43年10月3日22時から放送開始。当初、御守は成田山の物で、足袋も履かずコートやマフラーも着けないのが寅次郎の粋がり。小道具の帽子や雪駄は渥美のお気に入りで映画でもそれを所望。しかしスタッフが番組打上げ時の景品にした為、所在はバラバラ。松竹が借りに来る度に掻き集めて用意した。

3スジ2ヌケ2ドウサ3テイジ2コノミ

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