男はつらいよ 寅次郎の休日

男はつらいよ 寅次郎の休日

★★★
1990年/105分 #山田洋次

第43作。舞台は大分。主演は寅次郎#渥美清 さくら#倍賞千恵子 竜造#下條正巳 つね#三崎千恵子 博#前田吟 たこ社長#太宰久雄 源公#佐藤蛾次郎 御前様#笠智衆 満男#吉岡秀隆 マドンナ#後藤久美子。満男篇第二段。冒頭の夢場面に寅次郎の恋愛話やタコ社長との口論といつものシリーズ、定番の復活に歓喜する。監督は弔辞で本作以降、渥美の病状悪化を吐露した。

夢見の話。時は平安、車小路寅麿が世の儚さを詠む処。桜式部が兄者人捜しに現れ運命の再会、月光下で二人は抱擁し喜ぶ。

騒動の話。泉が上京した。大学生となった満男は会いに来てくれたと大喜びするが実は父探し。泉は別れ際に大分行きを表明、満男は思わず新幹線に同乗、青春が暴走する。くるまやでは駆け落ちと近所を挙げて大騒ぎ。寅次郎は子供扱いを嗜めつつも、その直後に現れた泉の母礼子の大分行きに、まだ子供だからと無理矢理、同行する調子の良さ。

親子の話。二階には若い二人、会話やエレクトーンが止まる度に狼狽する両親の件は見所。両親が言っても聞かないのに伯父さんが言えば聞く耳を持つ事に悩むさくら。親の心子知らずか、子の心親知らずか。

美徳の話。泉は幸せそうな父を見て別れを決意するが涙が止まらない。礼子は戻らぬ寄りを察し号泣する。満男はただうろたえるが寅次郎は敢えて何もしない。翌朝、置手紙を残し帰ろうとする泉、即座に「青年行け」の指令を満男に出す寅次郎。走る満男、遠ざかる泉、青春は瞬間の美を孕む。寅次郎は「困ったことがあったら風に向かって俺の名前を呼べ」と囁く。

残香の話。礼子への寅次郎からの花束と置手紙、商売の邪魔との気遣いや立ち去る姿勢が心憎い。彼女は仲間に「私の恋人よ」と答える。新年となり泉はまた突然に満男宅に初詣。満男は友達の自転車で帰宅を急ぐ途中で「幸せとは何か」を熟考、我々にも問いかける。

3スジ3ヌケ3ドウサ2テイジ4コノミ

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