黄金狂時代

The Gold Rush

★★★★★
1925年/69分 #チャールズチャップリン

全部盛りの完成された作品。本人は語った。全作品中このチャーリーこそ覚えておいて欲しい。詩人フォールは評した。己を笑う術を知る者は虚栄から人を解放する。

原点の話。1896年クロンダイク金鉱の黄金に群がる異常な人だかりと1846年ドナー隊遭難時の人喰い事件が原点。チルクート山道にエキストラ600名、カリフォルニアに巨大雪山を建造し当時の話題をさらった。また山小屋の精巧な造りは見所。模型とセットの見分けがつかない出来映えで、その揺動は大迫力のアクション映画。

完璧の話。全体を通して黄金の富裕と飢餓の貧困は皮肉な対照を見せる。感謝祭では靴料理の振る舞い、革にかぶり付き釘を丹念にしゃぶる姿は絶品なるご馳走。妄想の鶏は本人が動きを忠実に再現、飢餓の度合いも大きさで表現した優れもの。

反意の話。悲劇と笑いは紙一重。強風は小屋に放浪者を残し悪党を追いやる。銃口に追われるが仲間に護られた上に退治自慢。熊出没も仕留めて久し振りの食事。

無垢の話。約束の大晦日に彼女は来ない。妄想の中で始まるパンのダンスは美しい。暮明の中に物悲しく浮かぶ顔と少年の眼差しが彼の純粋さを際立たせる。パーティー会場覗き見、誰もいない食卓、残された贈り物。全てが侘しく切ない。一転して告白場面は軽妙に階段飛ばし、喜びは倍増する。ラストは昔の格好に戻り彼女と運命的に再会。「そうハッピーエンドです」

5スジ5ヌケ5ドウサ5テイジ5コノミ

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