ギルティ

THE GUILTY

★★★
2018年/85分 #グスタフモーラー

真夜中の孤独な救出劇。登場人物はアスガーのみ。通報者との会話だけで物語は進み、進むに連れて浮かび上がる恐怖の真実。

共感の話。不自由さは共感性を増幅させる。通話は着信のみで緊急指令室は密室。情報や空間が制限された事でアスガーと観客は一体化する。また劇中と実際の時間が連動する事で疲労感も同調する。暗い個室への移動は彼の閉鎖性が高まった事を示唆し、着信時の赤色灯は緊迫感を増大させる。

発見の話。事件が解決するに連れアスガーの過去も暴かれる。彼は事件を振り返り、自らの罪を後悔し、それを吐露する事で懺悔を果たす。罪の告白は彼に再生をもたらした。翌日の裁判で供述する相棒に「明日は嘘をつかなくていい」と虚偽の答弁撤回を要求する。物語は問題を想像し整理して組み立てる必要性からジグソーサスペンスに分類される。

契機の話。アスガーは人命に関わる仕事の重要性に気付く。また仲間との連携による解決は彼に大きな変化をもたらす。機会さえ与えられれば人は短時間で劇的な成長も可能、その為には物事に全力で取り組む姿勢が必要だ。

有罪の話。「お手柄ね」で受話器を置くアスガー、凍てつく表情で見つめる同僚。彼は呆然と部屋を出て再び架電する。同僚を避け物に当たり周囲を威嚇し破壊を続けた高圧的で粗暴な性格は恐らく変わらない。彼の善意は意図的ではなく自己実現を果たしたいだけの身勝手なもの。

3スジ3ヌケ3ドウサ3テイジ4コノミ

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