The Hobbit: An Unexpected Journey
★★★
2012年/169分 #ピータージャクソン
ロード・オブ・ザ・リングの60年前､平和だけが望みで自分だけを愛してよそ者を排除するホビット族。その一人であるビルボが魔法使いと13人のドワーフに巻き込まれ冒険に出掛ける。原作以外に追捕篇から話を膨らませた勇気と希望の物語。
主題の話。LOTRの前日譚。ガンダルフは忍びの者としてビルボを14人目に選び｢真の世界は本や地図ではなく窓の外にある｣と助言する。彼は拒絶するが一行が旅立った翌朝に寂寥を感じ冒険心が覚醒､遂に走り出す。
坑道の話。ドワーフは誇り高き種族。エレボールは黄金と宝石で築かれた広大な地下宮殿。富の貯蔵や花崗岩の採掘等､資源が動力源となる方法を丹念に描き衣装や被り物を創意､文化と建築物に独自の考察を与えた。
工夫の話。茶の魔法使いラダガストの橇を操るのはノルウェー種を元に創造された巨大兎。トロルとの掛合いはLOTR土産話の映像化､保守的なビルボが変貌する契機となる逸話。青の魔法使いが名無しなのは権利問題。
面子の話。トーリンは地図解読に当りガンダルフのエルロンドへの口利きを拒む。スマウグ襲来時にエルフが助力を拒否した怨恨が理由。ビルボはトーリンから役立たずと非難されるが直後のアゾク一騎討ちで彼を助ける。思想の違いが運命を別つ。
源流の話。LOTRの原点。ビルボは奈落に落ちてゴラムと出逢い偶然指輪を手にする。ゴラムはなぞなぞ遊びで彼と親しくなるが指輪の紛失に気付き発狂する。ビルボはゴラムを始末出来たのに敢えて生かした。
整合の話。｢ホビットの冒険｣は指輪物語執筆に伴い整合を取る為に3度改訂。初版はゴラムがビルボに指輪を贈呈し仲良くお別れ。2版は指輪に抗しがたい魔力を与えゴラムが執着し攻撃。3版は言葉のみの変更に止めた。
3スジ3ヌケ4ドウサ3テイジ4コノミ
