ロードオブザリング 王の帰還

The Lord of the Rings: The Return of the King

★★★★★
2003年/250分 #ピータージャクソン #ファンタジー

己の立場を正しく理解し貫けば誰もが主人公で英雄。作者は第一次大戦の体験を、重荷によるPTSD、帰郷し故郷で陥る孤独、自信がもたらす勇気等で総括する。

役割の話。サムは追放されるが主人を追従、シェロブやオークから救出して最後は背負って進む。ゴラムは死の淵から甦り主人を追従、指を噛砕き愛しいしとを手に入れる。執念は同じだが想いが違う。両者は陶酔の表情で役割を全うする。

美学の話。ヘルム峡谷は夜で梯子、ミナスティラスは昼で投石器。戦場を対比し背景に拘る。グロンド破城槌やムキマル軍団襲来など戦法に拘る。ゴスモグ、オログハイ、オリファント、ナズグルなどクリーチャーに拘る。拘りの美学。

理解の話。ファラミアは父の為に死を覚悟し戦場へ戻る。父は息子の死を言い訳に自己満足の自殺を図る。エオウィンは王から参戦を禁止されるが出陣し王を魔王から護る。王は笑顔で息を引き取る。理解が人に安息をもたらす。

名言の話。本作は言語学者が遺した名言集。アラゴルンは演説で「今日ではない」「フロドの為に」、レゴラスは戦前に「友達の隣なら」、エオウェンは剣を抜き「私は男ではない」、サムは帰宅し「帰ってきたよ」、嗚咽必至で王の戴冠式も必見。

革命の話。WETAの群衆場面はズール戦争以上の重厚感、Massiveの映像革命。強制遠近法、ミニチュア組成、ダイナメーション応用など融合芸術の到達点。

5スジ5ヌケ5ドウサ4テイジ5コノミ

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