
The Sound of Music
★★★★★
1965年/172分 #ロバートワイズ
音楽と自然の持つ力がマリアの道を開きトラップ一家を自由へと導く。冒頭と終幕の空撮は見所であり歴史的な名場面。人間の善なる部分に焦点を当てた名作。
歌曲の話。ザルツブルクの名所を巡る「ドレミの歌」は動物や光景、瞬間に宿る美しさや自己愛の尊さを語り、物事は良い面で捉える様に促した。修道院長が微光の中、高らかに歌う「全ての山に登れ」は未来を恐れず夢を追い、己の道を自分で探す強さを教える。「エーデルワイス」は自宅での長女と二重唱で家族愛、音楽祭で観客と大合唱し祖国愛を示した。
構成の話。ロジャースとハマースタインは制作に当たり曲を大胆に入替えた。新曲「何かよいこと」「自信を持って」を追加して勇気ある行動の素晴らしさを加えた。「私のお気に入り」では歌を修道女から子供に変えて、先生と子供達が仲良くなる過程に自然さを、「一人ぼっちの羊飼い」では人形劇団を参加させ家族団欒の大切さを、「ドレミの歌」では設定を街に移して、遊ぶ子供達の豊かさを、生み出した。調整が物語に簡潔さと説得力を与え神話となった。
場面の話。パイプオルガンが共鳴する大聖堂の結婚行進、雨に濡れた展望台のベンチダンス、ベランダで縦横無尽に踊るフォークダンス、「ドレミの歌」の音符階段、「さようならごきげんよう」の可愛いキック、躍動する人間の姿は果てしなく美しい。
実在の話。一家は列車を利用しイタリア経由でアメリカに亡命した。演奏活動を経てホテル経営を始め、傍らで小説を執筆しベストセラーとなる。本国で映画「菩提樹」が公開され、後に米でミュージカル化が実現、何れも大ヒットを飛ばした。
5スジ5ヌケ5ドウサ5テイジ5コノミ